大紀産業大紀産業株式会社

大手饅頭伊部屋協業製品のポーチ
  • お客様インタビュー
  • 2024年10月8日

<食品ロス「もったいない」×食品乾燥機>で新商品の開発に成功した浦上染料店様にインタビュー!

こんにちは!
岡山県で食品乾燥機の製造と販売を行っている、大紀産業 株式会社の広報です!

今回は、大紀産業の食品乾燥機をご購入いただき、
食品廃棄物を乾燥させて新たな染料の開発に成功された企業様に、インタビューのご協力をいただきました。

今回、ご協力いただいたのは、岡山県倉敷市児島にある「株式会社 浦上染料店」様!
「もったいない」というSDGs的観点から始まった、地元和菓子メーカー「株式会社 大手饅頭伊部屋」様との協業で誕生した開発商品技術を応用した他の食品素材への挑戦まで、詳しくお話しを聞かせていただきました!

現在、野菜や果実、草花の処分が負担に思われている方や、「もったいない」と思っている素材があるけど、どうやって活かしていいのか分からない方は、ぜひともご参考にしていただければ幸いです!

それでは、インタビュー内容をご覧ください!

目次

インタビュー風景1

他企業との差別化を図りたい――「岡山県ならではの素材で染めたかった」

大紀産業(以下、大):まずは、以前からされていた天然染めについてお伺いしたいと思います。化学薬品で作られた染料ではなく、自然由来の素材で作った染料で染物をされたいと、前から思われていたことなのでしょうか?

浦上 博之 代表(以下、浦):そうですね、化学的に作られた染料と天然素材の染料とでは、仕上がりが違います。味があると言いますか。きっと、目の肥えている最近のユーザーさんも、天然素材で染めたものを「味があって良い」と言ってくれると思います。
素材については、実は今回の和菓子メーカーである「株式会社 大手饅頭伊部屋(以下、大手饅頭伊部屋)」との協業前から、岡山県にちなんだ素材で染めたいとは思っていました。弊社は岡山県にある会社ですから、ここじゃないとできない! という他の企業さんとの差別化がしたいと考えていたんです。
中でも、捨てられてしまっているような「もったいない」ものを使いたいというのはありました。

そこで試作したのは、ピオーネの枝桃の枝です。それぞれきれいな緑色とピンク色になりました。岡山県高梁市の果樹園さんにお願いをして、間引く際に剪定した枝を購入させていただきました。

:枝からも色が出るんですね! 知りませんでした!

:そうなんです。果実や花にしか色素がないように思われがちですが、その色素を運ぶための管は枝にも通っているので、意外に枝からもきれいな色が出るんですよ。植物というのは、花や実に至るまでの過程に色素のポテンシャルを秘めているんです。

染料

「もったいないを解決したい」が
タイミング良く出会ってスタートした協業新事業

:では、今回の協業は浦上代表の「岡山にちなんだ素材で差別化」と「もったいない」を解決するという目的に合っていたわけですね。
今回の協業にあたり、大手饅頭伊部屋さんとはどう出会われたのでしょうか?

:出会いは、共通の知り合いからの紹介でしたね。
元々、大手饅頭伊部屋の常務さんも小豆の皮をそのまま捨てている現状を「もったいない」と感じられていたそうです。
自社製品に付加価値も付けたい、そこにこの小豆の皮が使えるのではないかと、新販路・新事業を模索されていたようです。元々、お赤飯なんかで小豆の色で物が染まることはお分かりだったので、ご自宅で小豆の皮を使って実際に染物をされてみたことがあるらしくて。それで、天然染めも行っている浦上染料店とご縁をいただけたという感じです。
「もったいない」ものを活かせないか考えている者同士ということで、お互いのやりたいことのタイミングが合った感じですね。

:なるほど。製品化に至った経緯もお聞きしたいです。

:現在は、トートバッグと小豆をかたどったポーチの2種類を販売されています。その2種類に使われている布を、浦上染料店で染色しています。 弊社は、在庫を抱えないようにしているので、染めるための布をお預かりして染色をします。そこから、お客様が使われているうちに色落ちしないように、布に定着しきらなかった染料などを一度洗って、乾かします。ご依頼主さんにお渡しするために布を巻く「巻反(まきたん)」は、他の業者さんにしていただいて納品しています。

大手饅頭伊部屋協業製品のトートバッグ
大手饅頭伊部屋協業製品のポーチ

:優しい小豆色が印象的ですが、この色になるまでは何度も試されたのでしょうか?

:そうですね、まずは岡山県工業技術センターに、小豆の皮とその色素を布に定着させる薬剤とのバランスなどを調査・研究してもらいました。
大手饅頭伊部屋の常務さんが、家で染色の実験をされて既に実際の色を確認されていたので、色の擦り合わせは簡単でした。

:「実際の色の擦り合わせ」というと?

:例えばなんですけど、「100%アボカドで染めました」と言われて、何色をイメージされますか?

:えっ、緑色じゃないんですか……?

:実は、ピンク色なんですよ。こうして、実際の色とお客様がイメージされる色が違うことがあるので、ここの擦り合わせは大切なんです。
ここから、小豆の皮を煮立てて色素をめいっぱい抽出します。ここで、<乾燥>が必要になってくるんです。
大手饅頭伊部屋さんからは、こしあんを製造する過程で出た状態の小豆の皮が届くので、水分を多く含んだベチャベチャな状態です。なので、煮立てる前に届いた小豆の皮を乾燥させて、付着していた不純物や水分を落とす必要があるんです。こうして、色素をぎゅっと凝縮させます。そして、センターで調査していただいた結果を基に、薬品で色素の定着力を補完していきました。

:そこで乾燥の技術が必要になるんですね。事業化にあたっての資金は、どのようにご用意されたんですか?

:資金は、大手饅頭伊部屋さんも初めての試みとしてクラウドファンディングを活用されたみたいです。

インタビュー風景2

<効率良く色素を抽出する“乾燥”の難しさ>を克服する、食品乾燥機

:先ほども伺った<乾燥>の工程についてなのですが、弊社の食品乾燥機を導入される前は、どのように染料の材料を乾燥されていたのでしょうか?

:以前は、染料の元になるものを天日干しや日陰干しで乾かしていました。しかし、この方法では季節や時間帯などで乾燥の具合が変わってくるので、品質が一定ではなかったんです。そこが、自然素材から染料を作る際の課題でしたね。

:天日干しや日陰干し以外には、何か試されましたか?

:例えば、この染めた布類を乾かす乾燥機ですね。しかし、中に入れたとしてもファンが回るので風が巻き起こってしまったり、中に入れた素材全てにまんべんなく熱が掛かって乾燥されずムラができてしまったりと、様々なネックがあって導入には至りませんでした。

染料の材料を乾燥させるという工程は、染料づくりには必要です

というのも、水分を含んでいる植物と乾燥させた植物を、同じ重量用意したとします。しかし、そこから採取できる色素の量に違いが出るんです。乾燥させた方が色素だけが凝縮しているので、染料として使える量が多くなるんです。

さらに、効率よく色素を取り出したいとも考えていました。 ユーザー様がイメージされる色に近づけるためには、濃度を高くするために染料の元となる自然素材が多く必要です。だからこそ、水分を多分に含む植物などの自然素材の体積を取っ払いたかったんです。

乾燥させた染料の材料

:ちなみに、弊社の製品はどこでご存知になりましたか?

:乾燥機を探していると弊社の会長に相談したら、会長が教えてくれたんです。ネットで調べたと言っていたかな? 「乾燥のプロ」ということで他を試すこともなく、1発で大紀産業さんにお願いしました。

:そうだったんですね、ありがとうございます!

実際に使われている「E-3H」

写真は、浦上染料店様の染料体験場所「どんぐり工房」に設置されている、弊社製品「E-3H」。 取材時には、ドリップ後のコーヒー豆を乾燥されていました!

説明をして出さっている浦上会長

「どんぐり工房」では、会長である浦上 俊二 様が教えてくださる染色体験もできます! 今回の記事で染色にご興味が湧いた方はぜひお問合せしてみてください♪

食品廃棄物でつくる染料の可能性と
「もったいない」から生まれる経営の効率化

:小豆以外にも、染められたものはあるのでしょうか?

:はい、今回の小豆の皮の経験を応用して、ドリップ後のコーヒー豆を染めていますね。Instagramでコーヒーショップさんを募集して、そのドリップ後の豆を買い取らせていただきました。

:ドリップ後のコーヒー豆! 皆さん、処分に困られているものなんでしょうか?

:やはり、かなり大量に出るものなので大変みたいです。ドリップした後なので、これも湿った状態です。そうすると、処分するとき重いしカビも発生してしまいますから。
そこで、「染料の材料がなくて困っています! 捨てるならもったいないので買い取らせてください!」とお願いして、お送りいただいています。お礼に、お好きな商品をコーヒー染めしてお返ししたりもしています。
今は複数のお店から買い取らせているものを全て一緒にしているのですが、浅煎りや深煎りといったローストの具合によっても色合いは変わると思いますね。

コーヒーのドリップカスで染めた布

:大手饅頭伊部屋さんと協業された小豆の皮然り、ドリップしたコーヒー豆然り、「もったいない」というキーワードが出てきたと思います。ここにクローズアップされた理由は何かあるのでしょうか?

:他の会社さんもそうだと思うんですけれども、「効率良く利益を最大化しろ」ってありますよね、経営の効率化と言いますか。そこを、「もったいない」以外のところからどうやって生み出すの? と思うんです。無駄を省いていると自然とそうなってきた、というのが正直な話です。だから、僕がSDGsに目覚めたから進めた開発ではないんですよ(笑)

経営者として効率よく利益を最大化させるために無駄を省いていくと、SDGsに合致する活動になっていた、ということですね。

:そうですね。あと、「SDGsのために開発された商品です」というより、お客様が商品を買われる際に「実はこの商品は、こういうことに貢献されています」というのを+αで言ってあげた方が自然だと思うんです。
コーヒーを淹れた後に廃棄されていたものを染料にすることで、もう1度表舞台に立ってもらう。その役目も終えたら廃棄されるのかというと、僕はもう一段階進んで、農業高校へ堆肥としてお送りしてリサイクルしています。

:堆肥として使えるんですね! 農業高校さんも堆肥代も浮いて良いですね。

:100%捨てていたものを、20%でも再利用できたら、つまりは「20%の削減」になりますから。今は、自分の家の畑にもまいてますね。

コーヒーのドリップカス

大紀産業の食品乾燥機を購入してみて……

:最後に、大紀産業の食品乾燥機をご購入してみていかがだったか、ご感想をお聞かせください。

乾燥の品質が一定になったので、とても助かっています。操作も簡単ですし。
あと、提供いただいた素材を保管する際に場所も取らないですし、カビも生えないので、衛生的かつ省スペースを実現できたのもうれしいです。
これからは、色素を残すのに最適な温度ですとか、そもそもどういった素材の色素が強いのかなど、大紀産業さんが持っていらっしゃる食品乾燥のノウハウが染料に応用できるかもしれないので、そこらへんもご協力いただければ……(笑)

:おもしろいかもしれませんね! 弊社のお客様にも、「この原料で染めたもので商品を作りたい」という方もいらっしゃるので、委託などを受けていただけると助かります。

:抽出代や染料代などは掛かりますが、少量からさせていただいています。

:なるほど、分かりました! それでは、今後ともよろしくお願いいたします。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

ご協力いただいた浦上社長

以上、食品乾燥機をご購入いただき、新たな染料の開発に成功された株式会社 浦上染料店様のインタビューでした!

浦上染料店様と大紀産業でタッグを組んで、おもしろい事業が展開できるかも!? と今後がわくわくするようなお話もあり、今後に期待です!


↓今回、インタビューにご協力いただいた企業様!↓

株式会社 浦上染料店
住所:岡山県倉敷市児島下の町1丁目11-14
TEL:086-473-0436
HPhttps://urakami-senryo.com/

倉敷どんぐり工房
住所:岡山県倉敷市児島下の町4丁目10-8
TEL:086-473-0436
HPhttps://donguri.urakami-senryo.com/

株式会社 大手饅頭伊部屋
住所:岡山県岡山市北区京橋町8-2(京橋本店)
TEL:086-225-3836(京橋本店)
HPhttps://www.ohtemanjyu.co.jp/company/

いかがだったでしょうか?

現在、野菜や果実、草花の処分が負担に思われている方や、「もったいない」と思っている素材があるけど、どうやって活かしていいのか分からないと思われている方など、 お悩みの方は是非とも大紀産業の食品乾燥機をご検討ください!

大紀産業の本格的な食品乾燥機は

121,000円(税込)〜

販売していますので下記のサイトから是非ご覧ください!↓↓↓

タイキダイレクト

ご質問やご不安なことがございましたらお気軽に大紀産業までご相談ください。
乾燥のプロがしっかりとサポートいたします!!!

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8:30〜17:30(土・日・祝を除く)

0120-30-5178

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